| 東京自殺防止センター 西原 由記子 |
| 30年自殺防止活動をしてきた者にとって、政府が本腰をいれて取り組む道ができて嬉しい。「これから」だと多くの人が期待している。必要な問題が山積している現場の声に耳を傾け、国・民間・学者の横関係を具体的な行動に繋げる努力を惜しまない。基本的人権をしっかりふまえ生きた関係を構築しよう。 |
|
| NPO法人・生と死を考える会 杉本脩子 |
3万人署名まであと5千人と聞いた時には、「ああ、とても無理」と思いました。遺族の方たち、遺族と直接関わっている方たち、ともに複雑な思いがあって主旨をわかっていただくにはあまりに時間が少なかったのです。
けれども最後の週になって、短いながらも、考える時間を十分とられたという感じで賛同者がどっと増えました。
顧みられることのなかった遺族の支援が盛り込まれた法律が出来上がり、深い感慨をおぼえています。 |
|
| 東京大学大学院教授 姜 尚中 |
| 人間の顔をした資本主義はあるのか。3万人を超す「自殺者」を出すような資本主義は、それにふさわしいとは言えないはずだ。一日に90人近くの「自殺者」を出すような社会に人間的な連帯などあるはずがない。連帯を取り戻そう、どんな人間も生きられるような社会にしよう。やっとまっとうな声が社会を動かしつつある。これからが本番だ。 |
|
| セントラル総合研究所代表 八木 宏之 |
「やった!」知らせを聞いて思わず叫びました。自殺は個人ではなく社会の問題だと国がようやく認めたのです。皆さんの署名活動が、起爆剤となりましたね。
経済苦による自殺者は毎年約8000人。練炭自殺を図る寸前の中小企業経営者が私の会社に電話をかけてきて相談に乗ると、生きる希望を持ってくれたこともありました。死を選ぼうとする人が再生できるように、今後もライフリンクの活動を応援します。 |
|
| 秋田大学教授 本橋 豊 |
自殺対策基本法が成立し、自殺対策を総合的に推進する法的基盤ができました。腰の重かった自治体や大都市部での対策の進展が期待され、我が国の自殺対策の底上げにつながります。法案成立には10万人を超える署名活動を主導したライフリンクの役割は大きかったと思います。人びとの「つながり」を大切にするライフリンクのこれからの活躍をさらに期待します。
|
|
| 握手の強さにライフリンクの意思が |
| 毎日新聞社会部記者 玉木 達也 |
「法制化実現に向けてがんばりましょう」。ライフリンク代表の清水康之さんはさっと右手を出した。こちらもやや戸惑いながら右手を出すと、がっちりと握手された。清水さんに自殺対策基本法案について初めて取材した4月13日。2時間にわたって話を聞いた後、JR飯田橋駅前で別れ際での出来事だった。
米国の高校、大学での留学経験から、清水さんの握手はごく自然の習慣にも見える。一方で、行政と政治家、マスコミ、一般市民らとの「つなぎ役」を果たす責任感からそうしているとも思える。2カ月後の6月15日に国会で対策法が成立した瞬間、清水さんの握手の強さを思い出した。
自殺で肉親を失った遺族や遺児のみなさんのほか、政治家や中央官庁の役人の中にも「社会的に追い詰められた末の自殺をなくしたい」との思いを強く持っている人がいた。それらの人々の気持ちが一本につながったため、これほど短期間に法律ができたと思う。清水さんの「握手」で象徴されるつなぎ役「ライフリンク」が、法案成立に果たした役割は間違いなく大きかった。
私は4月17日の朝刊1面に書いた「自殺対策 新法で『遺族支援を』」の記事を皮切りに、法案成立まで関連記事を18本書いた。取材をし記事にすればするほど、自殺問題がいかに深刻なのかを改めて認識させられた。清水さんは法律で「足場」ができ、これからが大切と強調する。報道も一緒だ。一人でも自殺者を減らすため、息長く書き続けたい。 |
| 自殺対策基本法ができたが、ここに至る源流には、自殺で遺された側の痛みを社会に対し、実名で訴えたあしなが育英会の遺児学生たちの勇気とうめきがあった。2001年12月、自殺防止を小泉首相に陳情した10人のうち、4人に今回の法制定についての感想を語ってもらった。 |
|
|
| おびえながら始めたが |
| (埼玉県・斉藤 勇輝) |
初めはたった2人の活動でした。その活動は孤独で、怖くて、おびえながらのものでした。テレビに映る自分を見て、怖くて涙が止まりませんでした。手ごたえを実感することも難しく、まるで雲をつかむようなものでした。
そんな細い活動が少しずつ輪を広げ、法制化にまでなったことは本当にうれしく思います。ライフリンクをはじめ、多くの人たちが立ち上がり社会を動かした。その活動の一員になれたことは私の誇りです。ありがとうございました。 |
|
| 人の心も変える法律に |
| (長野県・久保井 康典) |
2000年に自殺によって親を亡くした経験を社会に初めて語った時、僕らは声をあげることしかできませんでした。それから6年、僕らがあげた声をここまでたどり着かせてくれた多くの方々に、心よりの感謝と敬意の念を抱いています。
自分だけでなく、私は出会った遺族の想いも常に訴えてきたつもりです。だから、僕の出会ってきた遺族の分も含めて皆さんにお礼が言いたい。本当にありがとうございます。社会だけでなく、人の心を変える法律になって欲しいと願っています。 |
|
| 自殺減らす一端担えれば |
| (長崎県・山口 和浩) |
「自殺者3万人」との新聞見出しも、いまや当たり前のことのようにさえ、とらえられる中で、ようやく国が本格的に対策に乗り出すことは大変喜ばしいと感じる。
自殺を考え、悩み苦しんでいる人、悲しくも遺され、もがき苦しんでいる遺族、1人でも自殺者を減らそうとさまざまな活動を進めてきた方々にとって、法制化は大きな励みにもなる。
法制化によって自殺者が激減することはないだろうが、それぞれが自殺者を減らす根拠はできあがった。同じ苦しみを持つ人が1人でも減っていくことを望むし、その一端を少しばかり担うことができればと、いまは考える。 |
|
| 大好きなお父さんに報告 |
| (神奈川県・高木 美和) |
5月13日、新宿の街頭で署名を集める私に、高校生くらいの女の子が「署名します。うちも母が未遂をしたので」と声をかけてくれました。私も彼女くらいのころに父が未遂をし、そして高3の時に本当に逝ってしまいました。
10年前は社会も私自身も未遂というものをあまり深刻に受け止めていなかったように思います。
8年連続3万人という現実が人の意識を変え、国を動かしました。悲しい現実も多いけれど、今回の法制化により自殺は減らしていけるのだと今まで以上に強く信じることができました。
このことを大切なお父さんに報告したいと思います。 |