「自殺対策基本法」のすべて!

2006年6月、「自殺対策基本法」が成立しました。ここでは、この法律の成立した意義、成立にいたるまでの経緯、また基本法が成立したことへの想いをまとめてお伝えします。
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『ライフリンク通信』第4号より抜粋
(ニューズレターのお申込みは、ライフリンク事務局まで)
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自殺対策基本法を足がかりとして次なるステップへ

(参考)以前のメッセージ
 






「3万人署名」から法制化へのご報告
2006年6月21日
ライフリンク代表
清水康之
 
 
去る6月15日、『自殺対策基本法』が成立しました。(ご報告が遅くなってすみません)
国会閉会直前のウルトラC。超党派議員で作る「自殺防止対策を考える議員有志の会(事務局:武見敬三議員山本孝史議員)」の方々が、実に精力的かつ献身的に国会内を奔走し、限られた時間の中で話をまとめてくださいました。

 
『自殺対策基本法』(PDF) 『自殺対策基本法要綱』(PDF) 『自殺対策基本法』の概要(PDF)

(→ 「自殺総合対策推進モデル」ライフリンク案へ)
 
みなさんにご参加いただいた「3万人署名」は、その大きな後押しとなりました。
最終的に寄せられた署名数は、10万1055人。署名は法制化を求める私たちの「声」として、6月7日に扇千景参議院議長に提出してあったのですが、扇さんも「有志の会」の方々も、みなさん一様に「わずか一ヶ月半で10万人集まったこと」に大変驚かれていました。

国会というと、なんだかドロドロしたところのような印象を持っていたのですが、また確かにそうした部分はあるようですが、今回法制化に向けて動いてくださった議員の方々は違いました。私たちの「声」を真摯に受け止め、それを「国民のいのちを守るための法律」へと具現化してくださったのです。

「国会もまだまだ捨てたものじゃない」。私はいま、そう強く実感しています。

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今回の法制化を目指す一連の活動は、それ自体が自殺対策の実践ともなりました。
「社会への啓発活動」は自殺対策の重要な柱のひとつなわけですが、今回の一連の活動が、まさに「最大の啓発活動」にもなったわけです。

全国7拠点で行った街頭署名や国会への署名提出などの模様は、NHKや全国紙でも大きく取りあげられ、2ヶ月弱の間にのべ30回以上「報道掲載」されました。(これは全国版のみの数字ですから、地方版も含めればその倍以上の数になるでしょう。)
そうやって広く社会に対して、「自殺の実態」「自殺対策の必要性」を訴えられたことは、荒廃していた日本の自殺対策の土壌を耕すことにもつながりました。

自殺対策の法制化と自殺対策の土壌の開拓。
この二つを同時並行的に推進できたことは、これから自殺対策を実践していく上での、強固な「足場」となってくれるはずです。

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法律ができたから自殺がすぐに減るだなんて、そんなことは考えていません。
それは、自殺対策の現場で活動する私たち自身が、一番よく自覚していることです。

今後は、現場での活動を広げていきながら、『自殺対策基本法』という新しい枠組みの中で何をすべきなのか。その具体案を、現場から積極的に提示していきます。(このHPでも)

ここはまだまだ通過点。
みなさん、ぜひ今後ともつながりあってチカラを合わせていきましょう。
そして少しでも生き心地の良い社会を築いていきましょう。

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最後になりますが、この場をお借りしまして関係者のみなさまに御礼申し上げたいと思います。

法制化に尽力してくださった議員の方々、議員秘書の方々、厚労省総務省の方々。それに「3万人署名」に熱いエールを送ってくださった賛同者の方々、共に署名活動に取り組んでくださった賛同団体の方々、粘り強く取材し続けてくださった報道関係者の方々。そして、実際に署名に参加してくださった方々、自殺の問題に関心を寄せてくださった方々。。。

みなさん、本当にありがとうございました。
人間って捨てたもんじゃないです。みなさんが暮らすこの社会も捨てたもんじゃないです。
さあ、前を見据えて。一歩ずつ進んでいきましょう。


 






「自殺対策の法制化を求める3万人署名」に
ご参加いただいたみなさまへ
2006年6月3日
ライフリンク代表
清水康之
 
 
この度は「自殺対策の法制化を求める3万人署名」にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。

本日をもって締切らせていただきました結果、署名総数はなんと9万名を超えることが分かりました。(現在、慎重に集計作業を行っているところです。)

こころからの御礼とともに、ここにご報告させていただきます。

みなさまから寄せられましたご署名は、6月7日(水)の参院本会議後に、扇千景参議院議長へ提出する予定です。
私たち「3万人署名」の発起人が、超党派議員で作る「自殺防止対策を考える議員有志の会」のメンバーの方々に付き添っていただき、責任を持って国会に私たちの「意志」を届けてきます。
国会の会期末まであと2週間を残すのみとなりましたが、必ずやこれが法制化に向けた最後の後押しとなってくれるはず。私たちは、そう信じています。

なお、署名提出の模様は、テレビや新聞でも報道される予定となっておりますし、このページでもあらためてご報告させていただくつもりです。

今後とも、少しでも生き心地の良い社会を築いていくため、ぜひみんなでつながりあっていきましょう。

あらためまして、「3万人署名」へのご参加をありがとうございました。

 
自殺対策基本法案の概要 (PDF)


【発起人】
西原 由記子 (東京自殺防止センター)
杉本 脩子 (生と死を考える会)
西田 正弘 (あしなが育英会)
清水 康之 (自殺対策支援センター ライフリンク)

【賛同者】(50音順)
稲盛和夫(京セラ名誉会長)
姜 尚中 (東京大学教授)
倉本 美津留 (放送作家)
斎藤 友紀雄 (日本自殺予防学会)
重松 清 (作家)
渋井 哲也 (ジャーナリスト)
瀧本 智行 (映画『樹の海』監督)
野田 正彰 (関西学院大学教授)
八木 宏之 (企業再生屋)


【賛同団体】
(5月29日現在)
東京自殺防止センター(東京)
親の自殺を語る会(大阪)
こころのカフェ きょうと(京都)
心に響く文集・編集局(福井)
相談室カンナ(京都)
りんどうの会(岩手)
わかちあいの会「風舎」(兵庫)


生と死を考える会(東京)
れんげの会(福島)
ほたるの会(沖縄)
RE:(長崎)
心といのちを考える会(秋田)
猫次郎研究所(東京)
NPO 京都光(京都)


蜘蛛の糸(秋田) 
ビックフット(佐賀)
あんだんて(埼玉)
円覚山安楽寺(東京)
大阪自殺防止センター(大阪)
リメンバー福岡(福岡)
共生支援センター(福岡)
浄土真宗本願寺派(東京教区)
ライフリンク(東京)
いのち こころ 死について考える会(京都)

《主 旨》
7年連続「年間自殺者3万人」。
私たちは、この異常事態に一石を投じたいと、自殺対策に取り組んでいます。

しかし、一向に減ることのない自殺者・未遂者・自死遺族への対応を、民間主導で行っていくのはもはや限界です。自殺に追い込まれていく人や家族を自殺で亡くした遺族など、そうした「個人」を対象とした対策だけでは、自殺による悲しみの連鎖を食い止めることはできません。
人々を自殺に追いやっている社会に対して対策を行っていくこと。そうやって自殺問題の根っこにある課題に取り組んでいくこと。国が、「掛け声」だけでなく本腰を入れて「総合的な対策」に取り組んでいくことが、いま求められているのです。

どうか、みなさんも私たちと共に「声」をあげてください。
言葉を発することさえできなくなった「3万人」に思いを馳せて、あなたの「声」を署名に託していただけないでしょうか。
きっと、その小さな一歩が、この国の自殺対策を大きく前進させていくことになっていくはずです。




《「現在の自殺対策」の問題点》
▼ 法的根拠がないために、政府が一体となって自殺対策に取り組む体制を築けていない。
▼ 昨年9月に設置された『自殺対策関係省庁連絡会議』もすでに機能不全に陥っている。(昨年12月に「政府方針」が出されたが、各省庁によって対応がバラバラのままである。)
▼ 自殺対策の基礎となる「実態調査」すら、省庁間の縦割りの弊害があって未だに実施できていない。
▼ 「政府方針」を基づいて自治体に出された「通知」も、法的根拠がなく拘束力を持たない。
▼ このままでは「総合的な対策」というのが、実体のない掛け声だけで終わりかねない。