ライフリンク代表



清水 康之(しみず・やすゆき)     1972年生まれ。東京都出身。






私は、2004年の春まで、NHKで報道ディレクターをしていました。
主に『クローズアップ現代』という番組を担当していたのですが、2001年10月に放送した「お父さん死なないで 〜親が自殺 遺された子どもたち〜」の取材を通して自死遺児の子たちと出会い、自殺の問題と向き合うきっかけを得ました。
当時は、自殺で亡くなった方の遺書や各地の自殺対策についての取材もしていました。現場を知れば知るほど「自殺は社会的な問題である」との確信を強くしていきましたが、しかし同時に、推進役のいない日本の自殺対策に限界を感じるようにもなっていきました。
そこで、対策の遅れを嘆いていても何も始まらないと、自らが自殺対策の「つなぎ役」「推進役」を担おうと、仲間たちとライフリンクを立ち上げて代表に就任した次第です。

信条としているのは、「自分の限界は自分で決めるな」ということです。
せっかく一度しかない人生ですから、自分の可能性・直感を信じて、「やるべき」「やりたい」と思ったことには、できるだけ挑戦するようにしています。
「限界」は自分で決めなくても、環境や周りが勝手に決めてくれるものです。(往々にして、押しつけてくるわけですが。)ですから、せめて私自身くらいは、自分の可能性・直感を信じてあげたいと、そう思っています。

ライフリンクを立ち上げた時には、「長い人生の内で3年間くらいは、自分の問題意識のただ赴くままに行動しても良いのではないか」との思いがありました。
それまでに蓄えた貯金を切り崩していけば3年間は労働(お金を稼ぐためにする仕事)せずに暮らしていけることが分かっていましたので、それで3年間と期間を区切って、その間は思い切り自殺対策に取り組むことにしたのです。

生活のことや、私の今後の人生の目標のこともあり、あとどれくらいこの活動を続けていけるかは分かりません。
ただ、少なくとも今年度いっぱいは、ようやくスタート地点に就いた日本の自殺総合対策を軌道に乗せるべく、全力で駆け抜けていきたいと思っています。

自殺の問題は、日本社会における私たち自身の「いのちのあり方」に通底する深刻な社会問題です。
自殺対策という「いのちへの支援」に、私たちひとりひとりが主体的に関わっていくことができれば、きっとその先に「生き心地の良い社会」を築いていくことができるはず。私はそう信じています。

2007年6月 清水康之


【略歴】
1972年 東京生まれ。
1988年 高校を中退し、単身渡米。現地校に転入学する。
1990年 米国ワシントン州 レイクワシントン高校を卒業。
1996年 国際基督教大学(ICU)を卒業。卒論『日本脱出マニュアル』は、当時話題になっていた
       『完全自殺マニュアル』へのアンチテーゼ。
1997年 NHKに入局。「従来の価値観が大きく揺らぎ始めている日本社会で、自分たち自身の問題として、
       “どう生きるべきか”について考えていきたい」と、テレビディレクターに。初任地は札幌。
2001年 NHK東京放送センターへ異動。「クローズアップ現代」などを担当。
       テロ事件や自殺、内部告発などに関する取材を通して、社会の様々な「現場」や「瞬間」に立ち会う。
2004年 NHKを退職し、ライフリンクを設立。以来、代表を務めている。


【ブログ】
ライフリンク代表日記

【新聞記事】
2005年2月16日 読売新聞「顔」欄
2005年3月22日 朝日新聞「ひと」欄
2006年7月 8日 毎日新聞「ひと」欄

【関連資料】
2007年5月27日 朝日新聞「姜尚中が語る仕事4」
2007年5月25日 クロワッサン6/10号
2007年2月15日 ビッグイシュー66号

【執筆記事】
2007年5月 1日 自殺のない「生き心地の良い社会」を目指して
2007年2月 1日 いじめ自殺と報道 各社ごとのガイドライン策定が急務
2006年9月25日 自殺に追い込まれることのない社会へ